教授 丸山 健二Kenji MARUYAMA

2017年~2020年 領域学修主担当

専門分野
基礎化学・物理学
研究室
自然科学研究科情報理工棟
所属/前職
自然科学系(創生学部・理学部)

略歴

1963年生まれ。昼寝で有名な明善高等学校卒。1991年京都大学大学院物理学第一専攻博士後期課程修了(博士(理学))。学生の間は、ゼオライトの細孔の内壁に種々の金属イオンを置換しておき、このイオンとセレン分子との相互作用による金属化の研究を行った。物理専攻にもかかわらず、イオン交換のための化学実験漬けの日々であった。また、ガラス細工・金属加工・機器分析といった実験技術を身につけた。これは、後になって液体構造の研究に役立つことになった。
1991年新潟大学自然科学研究科助手、1994年理学部助教授。このころから、X線・中性子線を用いた液体の構造解析の研究を本格化。強力な粒子線を使用するために、SPring-8の高温班、J-PARCの全散乱測定装置NOVAの装置グループに参加し装置開発、解析方法の発展に寄与している。特に、解析方法として逆モンテカルロ法などの3次元構造可視化手法を開発・応用している。

関心のある教育研究開発テーマ

テーマ1
液体等構造不規則系の構造を解析する方法の開発。特に、中長距離スケールの原子間相関を表す方法を探索する。
テーマ2
「テーマ1」を実施するための計算方法・アルゴリズムの発見・開発。
テーマ3
計算機に使われる(アプリケーションの勝手な条件に従う)のではなく、自分の研究・学習・発表のために使い倒すことを身に着ける。

研究キーワード

液体構造および物性
structure and properties of liquids
X線・中性子線散乱測定
X-ray and neutron scattering measurements
秩序と無秩序
order and disorder of materials
不規則系物質構造の可視化
structure visualization of disordered matter

関心のある課題

  • 計算機の課題①アーキテクチャ。特に中央処理装置の命令セット、高速化技法。
  • 計算機の課題②種々の関数の計算、円周率、乱数、圧縮
  • 印刷術、組版、文字コード
  • 言語の文法、歴史。いまのところ英語がメイン。

学生時代からどのように課題発見・探求を続けてきましたか?
課題解決のためにどのようなアプローチをとりましたか?
どのような教育・研究をしてきましたか?

理学系のように基礎的学問の特徴かもしれませんが、何事も問題の根本について理解することが必要だと考えて研究をしています。例えば、構造解析の主力にしている逆モンテカルロ法の開発の場合、すでに多機能のプログラムがネットワーク上に公開されており、それなりの構造データがあれば(これも問題ですが)一応は解析を行うことができます。結晶構造解析も同様な状況で大変ありがたいことです。しかしながら、これらの手法がブラックボックスになってしまうと、本来無理な対象に適用したり、解析結果を無批判に採用するといった弊害が現れてきます。このような問題を回避するために、問題や方法の理解、プログラム作成から自分で行ってきました。この結果、この方法の理解や応用ではいろいろな人から相談をうける水準に到達しています。また、通常では困難な試料への応用も可能にしています。
 いろいろな実験や測定も同じように考えています。機械やプログラム任せではなく、自分で理解した手法で研究することにより、新しい装置や現象などに研究を広げていくことができると考えて日々研鑽しています。

創生学部の教員として挑戦したいこと

創生学部では学生の高校時代の理系・文系の区分けとは独立に学習分野を探すことができます。私の研究内容は、もともと大学のカリキュラムにはあまり含まれていないので、理学を志望する人にに限らず原子のつながりなど物質の構造に興味がある方の、いろいろな考え方を基盤にした解析法や構造モデルの構成を考えてもらえるようになればと考えています。